昨日は、痴呆の現実に向き合う二つの出来事があった。
51歳の娘二人を抱えた寡婦が、
75歳の認知症と介護三の両親の面倒を、スーパーでレジ打ちをしながら介護の生活を送る現実。(両親とも私より年下だ)
認知症の母親の徘徊が始まり、父親が癲癇で倒れ入院。
この生活が10年続きますと、母親の認知症を認定した医者が寡婦に宣告する。
「あなたの人生は終わった」という宣言に等しい。
この人でなしと罵倒したい。
が、
これが医療の現場なのであろう。
もっと強烈な現場に出会う。
地域密着型介護サービス提供の会社を訪問。
ここで見た光景はこれからもトラウマとなって私に付きまとうであろう。
三人の非介護者と二人の介護士。
非介護士はテーブルのいす席にすわり、介護士は床にひざまずく。
この光景は別に珍しいわけではない。
非介護者と介護士の笑い顔である。
お互いの中にあるいたわりと蔑みの感情が混在した「地獄の笑い」を見た。
人が人としての尊厳を失ったとき、人は地獄に落ちるという光景を目にした。
神の救いの必要を感じた一日であった。