あら!いいね。

全ての価値は人が生み出す。

山全体が緋色に輝く

急に寒くなった。

秋が来ないのではないかと思うほど、暑い夏が続いた。
が、季節は敏感なものお店の店頭にブドウが並んでいたと思ったら、最近は梨が並んでいる。これがいつの間にかミカンに変わっていた。

身体では感じない季節を自然は常に変わることなく変化している。

三年続いたマスク生活の記憶が薄れ始めていた時の急な寒さは、悪夢を思い出す。

大きな戦争の終結は見えず、物価の高騰は続き、追いかけて暖房費のことを考えると気が重くなる。

人間に比べ自然は偉大だ。

秋には多くの実りをもたらす。
しかし今年のように一年のうち一番気持ち良く過ごせる秋を飛ばして急に冬になる。
これもまた自然の気まぐれが人を楽しませてくれる。

まもなく山は紅葉の季節を迎える。
山全体が緋色に輝く。
この美しい緋色の輝きが失われると山の樹木は静かな眠りにつく。

川の流れのように季節が流れていく。

日本には華道という文化がある。
野山に咲く樹木を利用して、自分好みの風景を創る文化である。

手折られたた樹木は数日にして枯れてしまうが、その数日を輝いて生きる。
人の命は限られている。限られた命を輝かせて生きる。

そんな時代の足音が聞こえてくる寒い一日が終わります。